形も機能もよく似ている分配器と分岐器ですが、役割は全く違います。分配器・分岐器の役割や選び方、用語について解説します。

分配器とは?

分配器とは、テレビ信号を2つ以上に等しく分配する機器です。複数台のテレビが見たいときや、テレビやレコーダー等の出力機器を2台以上接続するときに使用します。
分配する数によって、2分配器~8分配器があります。分配数が多くなるほど分配損失が大きくなり、2分配器で4~7.3、4分配器で8~13の減衰があります。
また、分配器には、全端子電流通過型と1端子電流通過型の2種類があり、BS・110°CSアンテナへの電源供給の方法によって設置する分配器の種類が異なります。
 

分配損失とは?

①分配損失とは、分配器の出力端子にテレビ信号を等しく分配したことによって生じる、入・出力間の損失です。
分配数が多くなると分配損失が大きくなり、出力レベルが下がります。

端子間阻止量とは?

②端子間阻止量とは、分配器の出力端子間の信号の逆流を抑える能力を表します。(一方の出力端子から入れた信号が、他の出力端子にどれだけ阻止されて出てくるかを表します。)
数値が大きいほど、良い性能といえます。

分配器の種類と分配器の選び方

分配器には、全端子電流通過型と1端子電流通過型の2種類があります。
BS・110°CSアンテナに電源を供給する方法によって使い分けます。

 

全端子電流通過型分配器

ブースターは使用せずに、
各部屋のテレビからBS・110°CSアンテナへ電源を供給し、宅内すべてのテレビでBS・110°CS放送を見るときに使用します。

1端子電流通過型分配器

電源供給器(ブースター電源部)から、ブースターやBS・110°CSアンテナへ電源を供給し、宅内すべてのテレビでBS・110°CSアンテナ放送を見るときに使用します。

⚠テレビからBS・110°CSアンテナへ電源を供給する場合⚠

分配器の電流通過側のテレビからしか電源を供給できないため、電流通過側のテレビをOFFまたはBS・110°CS放送以外にすると、アンテナが作動しなくなり、もう1台のテレビでもBS・110°CS放送が映らなくなります。

分岐器とは?

分岐器とは、入力したテレビ信号の一部を分岐し、各端子の信号レベルをそろえるための機器です。集合住宅などで、分配数が多くなる場合や、アンテナからテレビまでの配線でケーブルが長くなる場合の信号損失の差を少なくし、信号レベルをそろえるときに使用します。
分岐する数によって、1分岐、2分岐、4分岐があります。分岐数が多くなるほど、挿入損失が大きくなり、1分岐で1.5~4.3、4分岐で4~7.5の減衰があります。

挿入損失とは?

①挿入損失とは、分岐器の分岐端子にテレビ信号の一部を分岐したことによって生じる、幹線信号の損失です。

結合量とは?

②結合量とは、分岐器の分岐端子にどれだけのテレビ信号を分岐するかを表す数値です。
数値が小さいほど、高い分岐出力が得られます。

逆結合阻止量とは?

③逆結合阻止量とは、分岐器の分岐端子から出力端子への信号の逆流を抑える能力を表す数値です。
数値が大きいほど、良い性能といえます。

まとめ✏

分配器・分岐器は、見た目や「テレビ信号をわける」という機能は似ていますが、テレビ信号のわけ方、役割は全く異なります。

器:テレビ信号を2つ以上に等しく分配する機器。
    複数台のテレビを見たいとき、出力機器を2台以上接続するときに使用する。

 

器:テレビ信号の一部を分岐し、各端子の信号レベルをそろえるための機器。
    集合住宅などで、分配数が多くなる場合や、アンテナからテレビまでの配線でケーブルが長くなる場合の信号損失の差
    を少なくし、信号レベルをそろえるときに使用する。

 

また、分配器は分波器との買い間違いも多いため注意が必要です。
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